工場の省エネに期待できるアイデアと成功ポイント
工場を運営されている企業様にとって、常に頭を悩ませる問題というと「光熱費」ではないでしょうか。
工場での光熱費は家庭とは違い、継続的に利用するケースが多いためいくら最適化を考えても高騰してしまうこともあると思います。
また最近では、工場で継続的に使う「電気・ガス・水道」をはじめとした資源の無駄遣いに世間も敏感になっているため、これまでと同じように使い続けることは環境への配慮が足りないと感じられることも出てきます。
またSDGsの高まりにより、持続可能な方法での省エネは企業イメージにも影響してきますので、省エネに対するアイデアを知り、自社に適した方法を導入し成功させなくてはなりません。
そこで今回は、工場の省エネに期待できるアイデアと成功のポイントについてご紹介していきたいと思います。
1: 工場の省エネの意味
工場の省エネとは、工場での生産や製造現場におけるエネルギー使用量や排出量を少なくし地球温暖化防止を考える意味があります。
また同時に、エネルギー資源を外部から調達し使用することばかりではなく、自社での安定供給を考える意味もあります。
2: 工場が省エネを考える理由
では、工場が省エネを考えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。次のようなメリット(理由)があるからこそ、これからは積極的に省エネを考えていかないといけないのです。
(1)水道光熱費の削減
いろいろな理由がありますが、一番のメリットはというと企業なら誰しも考える水道光熱費の削減効果でしょう。
水・電気・ガスは工場の運営には欠かせません。そのためこの費用が少しでもダウンできると商品の価格を構成する「経費」が下がりますので、必然的に利益率がアップします。
より水道光熱費をダウンすることは、企業のキャッシュ体力をアップさせることにつながりますし、キャッシュ体力がアップすると余裕が出てくるため今まで以上のサービスや商品開発を行うこともできるでしょう。
そして御社で働いておられる方々のやりがいや自信も高まり、生活や人生が豊かに感じられるようになれば、企業としてさらなるステージへ飛躍できる可能性も高くなります。
(2)作業効率の工場
省エネを考えて実施するということは、これまでの作業手順や作業方法を見直すということにも関係してきます。
そうすると、工場での無駄な動きや組立や製造の流れを改善するポイントも見えてきますので、作業効率も最適化されるようになるでしょう。
小さなロスを見つけるためにも、省エネを考えることはメリットになるのです。
(3)企業イメージ
昨今、雑誌でも取り上げられることが増えた「SDGs」。また日本の消費者は「エコ」「クリーンエネルギー」といった環境へ配慮した活動に敏感です。
当然、同じような商品が販売されているとしても、こういった環境への配慮や活動を継続的に行っている企業には良い印象をもちますので、商品が比較されたとき選ばれる可能性が高くなります。
例えば「ザ・ボディショップ」は、同じような商品が他のブランドでもありますが、ボディショップが掲げる環境への対応や考え方、企業としての活動が共感を呼び、少しくらい高くても選ばれるようになっています。
従来のように、ただ「安い」「良い」だけでは、今の消費者は振り向いてくれません。価値観を含めて共感を得ることが大切な時代になっています。
そのためには、工場の省エネ活動は「企業イメージの向上」につながりますから、やっておいて無駄にはならない企業活動ではないでしょうか。
3: 工場がコストダウンしづらいこと
それでは工場でコストダウンを考えたとき、どうしても「無理」と思えることを先に洗い出してみましょう。
(1)賃料
工場全体が(土地も含めて)全部自社のものであるなら賃料は必要ありません(その代わりに税金が高いですが)。
しかし一般的には工場は建物や土地を借りていることが多いはず。ということは賃料が毎月かかってくるわけです。
でも、この費用、コストダウンすることは難しいですね。
(2)仕入原価
生産や製造に必要な商品、材料の仕入原価もコストダウンが難しいですね。
交渉はされると思いますが、安すぎる商品や材料は強度や品質を担保できないことにもつながりますので、無理なコストダウンは企業の命取りにもなりかねません。
(3)人件費
人手不足の時代です。人件費をコストダウンするとスムーズな企業活動ができなくなる可能性もあります。
また、給与をダウンするとなると、従業員全体のモチベーションが低下し、企業全体の勢いを失う原因にもなるでしょう。
(4)研究開発費
移り変わりが激しい時代。また、新しい技術がすぐに登場する時代です。
研究開発費をコストダウンするということは、自社の強みを放棄することにもつながります。最悪なストーリーは「どこかの下請け」として存在する工場になることでしょう。
(5)税金
払い過ぎる必要はありませんが、適切な税金は払わなくてはいけません。
4: 工場が省エネしやすいアイデア
続いて工場がコストダウンを行いながら省エネにも取りかかれるアイデアを見ていきましょう。
(1)電気
工場の電気は省エネしやすい部分です。また、ちょっとしたことの積み重ねでコストダウンにもつながります。
- 白熱球や蛍光灯をLEDへ
- 不要な照明は消灯
- お客様がいらっしゃるところは「お客様の快適を優先」
- 工場内で無人になる部分は消灯
- どこの電気が消えるのかをスイッチへ記載
- 人感センサーで自動点灯・自動消灯
- エアコンフィルターの掃除
- 長時間使わない機器はコンセントを抜く
- エアコンの室外機のメンテと設置場所の工夫
- 部屋の空気の流れを考えた扇風機またはサーキュレーターの使用
また、電気の供給を太陽光や風力発電などを併用することでも、長い目で見ると省エネしながらコストダウンにつながる可能性もあります。
(2)熱
ガスや灯油、ガソリンなどですね。
- 温度の管理を徹底する
- 省エネ運転の徹底
- 温度を下げても使える材料の選択
- 季節にあわせた温度設定の徹底
熱に関する省エネは、いかに熱量が多く必要になるシーンを少なくするのかが大切です。
(3)水道
工場に水は欠かせません。
- 流しっぱなしにしない
- 止水しやすい方法を実践
- 衛生面や品質面に影響のない部分へ雨水利用を工夫する
- 井戸水活用システムの導入
5: 工場の省エネを成功させるポイント
これは省エネだけではありません。企業で何かの施策を実施した場合は必ず「見える化」する必要があります。
誰が見ても(経営者だけではなく)ひと目でわかる「見える化」こそ、省エネを行う意味、続ける理由が伝わり成功へと進むことができます。
単に数字を伝えるだけや、言葉で伝えるだけでは相手は理解してくれない可能性が高いですし、そもそも数字や言葉を理解しようとすることは面倒なので、深い意味は理解していないままということもあり得ます。
6: まとめ
工場の省エネに期待できるアイデアと成功ポイントについてご紹介してきました。
今回省エネしやすいアイデアの中にあった「井戸水活用システム」は、あまり知られていない省エネアイデアだと思います。
工場の水道代は安くしづらいと考えていらっしゃる方も多いのですが、このシステムを利用することで省エネしながらコストダウンを見込めます。
特に水の使用量が多い
- プール
- 養殖場
- 化学工場
- 病院
- 大規模施設
など、毎月の水道代が50万円を超えているところに有効な方法だと言えるでしょう。
もし、このような条件に一致されたのなら、水都環境サービスまでご相談ください。